
2026.09.03
迎え火は、死者のためではない。――あなたは、誰とこの火を焚き続けますか。シリーズ「お墓は、命のバトン」
※このブログは新聞俳壇への投句「きみと焚きし迎え火今宵きみに焚く」を題材に、書き手視点で再構成したものであり、筆者自身の体験ではありません。

迎え火を、今年も焚きましたか。
マッチを擦る。
火がつく。
おがらが、パチパチと音を立てる。
その隣には、いつもの誰かがいる。
「今年も、帰ってきたね」
そんな言葉を交わしながら、火を見つめる。
けれど。
もし今年、その隣にいた人がいなかったら。
少しだけ、火が違って見えるかもしれません。
その人は、もう「迎える側」にはいない。
今度は、自分が「迎えられる側」になったのです。
火は同じです。焚く手が、変わるだけです。
迎え火というと、亡くなった人を迎えるためのもの。
そう思うかもしれません。
でも、私は少し違うと思っています。
迎え火には、「迎える人」と「迎えられる人」がいる。
そして、その立場は、少しずつ入れ替わっていく。
今年は、自分が迎える。
いつかは、自分が迎えられる。
火は同じです。
焚き手が、変わるだけです。
だから私は、お墓について考えるとき、「亡くなった人のために、何をするか」だけではなく、
「これから、誰と命をつないでいくのか」というところまで考えたいのです。
お墓を探している人が、本当に探しているもの。
「お墓は必要でしょうか?」と聞かれることがあります。
もちろん、墓石の形や材質、場所、価格。
そうしたことも大切です。
けれど。
その奥には、もっと深い問いがあることがあります。
「これから、誰と手を合わせればいいんだろう」
「親がいなくなったあと、家族はどうつながっていくんだろう」
「自分がいなくなったあと、この家族の物語は誰が覚えていてくれるんだろう」
つまり、お墓を探しているようで、「家族の未来」を探している。
そんな瞬間があるのです。
だから私は、お墓を「商品」としてだけ考えたくない。
一つの石を選ぶことは、家族のこれまでを振り返り、これからを考えることでもあるからです。
お墓は、亡くなった人のためだけの場所ではない。
お墓の前に立つと、父を思い出す。
母を思い出す。
祖父母を思い出す。
そして、会ったことのない先祖のことまで、ふと考える。
「この人たちがいたから、今の自分がいる」
そう思う瞬間があります。
命は、誰か一人の身体の中だけで続いているのではありません。
生き方の中で、言葉の中で、家族の記憶の中で、受け継がれていく。
だから、お墓は、過去を閉じ込める場所ではない。
過去から未来へ、命のバトンを渡す場所なのです。
そして、いつか。
今、迎え火を焚いているあなたも、いつかは迎えられる側になる。
そのとき、誰かが火を灯してくれるでしょうか。
「おかえり」と言ってくれるでしょうか。
その未来は、今日、突然つくられるものではありません。
今日の家族との会話。
今日の笑顔。
今日、一緒に食べた食事。
今日、誰かにかけた言葉。
そういう小さなものが、少しずつ、未来の「おかえり」になっていく。
だから私は思うのです。
お墓をつくるということは、死の準備をすることではない。
これからも家族が「帰ってこられる場所」をつくることなのだ、と。
あなたが灯す火は、誰かの未来になる。
もし今、「お墓をどうしよう」と悩んでいるのなら、すぐに石を決めなくてもいい。
まず、家族と話してみてください。
どんな場所にしたいのか。
誰と手を合わせたいのか。
どんな思いを、次の世代に残したいのか。
そして、自分たちはどんな家族でありたいのか。
その話の先に、「この家族には、こんなお墓がいいね」
という答えが見えてくることがあります。
私たちが石を選ぶお手伝いをするのは、その最後の一部分です。
本当に大切なのは、その石の向こう側にある、家族の物語を一緒につくること。
石には、それぞれ個性があります。
家族にも、それぞれ物語があります。
だから、同じお墓は、ひとつとしてありません。
あなたが今夜灯す火は、いつか、あなたのために誰かが灯す火になります。
その火が、「おかえり」と言える火でありますように。
そして、「ありがとう」と言える火でありますように。
お墓。
それは、今日を笑顔にするもの。
明日を元気にしてくれるもの。
そして、命のバトンを、次の世代へ渡していくもの。
虫の音に、少しだけ秋の気配が混じる夜。
あなたは、誰と火を灯しますか。

石の個性と、家族の物語をつなぐ。
命のバトンを、未来へつなぐ伴走者。
射場石利石材株式会社
六代目当主 射場一之
【基本情報】
所 在 地:大阪府茨木市新和町16番19号
電話番号:0120-148183
営業時間:8:00~18:00
定 休 日:年末年始のみ
メ ー ル:info@iba.co.jp
L I N E :https://line.me/R/ti/p/@582fiyxj
【資 格】
◇ 大阪府知事許可(般-4) 第87663号
◇ 労働大臣認定 1級技能士石加 第84号
◇ 経済産業省公認 石匠位認定 第89001号
◇ お墓ディレクター1級 05-100101-04
◇ 建築石材アドバイザー 222034
◇ 相続診断士 20333425
◇ 終活ガイド 00005872
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