射場石利石材株式会社

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2026.09.02

戦争より、死より怖いものがある。13歳は、それを知っていた。シリーズ「お墓は、命のバトン」

※本稿は、新聞に掲載されたある中学一年生の詩を題材に、書き手の視点を借りて再構成したものです。私自身の体験ではありません。

 


 

夜、電気を消せない人がいます。

 

子どもではありません。

 

四十を過ぎた、いい大人です。

 

「怖いんですか?」

 

そう聞くと、「別に。怖くはないですよ」と笑います。

 

でも、本当は怖い。

 

暗闇が怖いのではない。

 

その先にあるものが、怖いのです。

 


 

ある中学一年生が、新聞にこんな投書を寄せていました。

 

 

まっくらな夜が怖い。

 

暗闇の中の静けさが怖い。

 

戦争が怖い。

 

戦争を「正しい」と言う人が怖い。

 

死が怖い。

 

そして、

 

暗闇の中で独りになること。

 

底知れぬ「無」が怖い。

 

「ああ、怖い。恐い。こわい」

 

 

その言葉を、何度も重ねていました。

 

大人になると、こんなことは書けません。

 

「怖い」と言うことさえ、恥ずかしくなる。

 

強く見せる。

 

平気な顔をする。

 

「大丈夫」と言う。

 

いつの間にか私たちは、怖くないふりをすることを覚えてしまいます。

 

でも、この子は違った。

 

怖いものを、怖いと言えた。

 

だからこそ、見えていたのかもしれません。

 

人間が本当に恐れているものが。

 


 

お墓の前に、立ったことはありますか。

 

石は、冷たいものだと思われています。

 

でも、夏の昼下がりに触れてみてください。

 

驚くほど熱い。

 

太陽の光を、一日中受け止めていたからです。

 

その石に刻まれているのは、名前です。

 

生きた証です。

 

家族の記憶です。

 

そして、「ここに、誰かがいた」という証拠です。

 

だから私は、お墓は「過去のためのもの」ではないと思うのです。

 

過去と、今を生きる私たちと、まだ生まれていない誰か。

 

その三つをつなぐ、一本の線なのです。

 


 

あの13歳の子が、本当に怖かったもの。

 

それは、戦争でも。

 

死でも。

 

なかったのかもしれません。

 

独りになること。

 

何もない。

 

誰もいない。

 

自分が、誰ともつながっていない。

 

その「無」が怖かった。

 

だからこそ、お墓には意味があります。

 

お墓は、死を消すものではありません。

 

不安をなくすものでもありません。

 

まして、「安心」を売るためだけのものでもない。

 

そこに刻まれているのは、「あなたは、独りではない」という事実です。

 

あなたが生まれる前に、誰かが生きていた。

 

誰かが、誰かを愛した。

 

誰かが、家族を守った。

 

その命の続きに、あなたがいる。

 

そして、あなたの生き方の先に、まだ見ぬ誰かがいる。

 


 

だから、お墓の前で手を合わせるということは、過去を見ることだけではない。

 

未来を見ることでもあるのです。

 

「私は、何を受け継いだのか」

 

そして、「私は、何を次へ渡すのか」

 

その二つを、静かに問いかける場所なのだと思います。

 

 

 

命は、誰かの身体だけで受け継がれるのではありません。

 

生き方の中で、受け継がれる。

 

優しさも。

 

働く姿も。

 

家族を思う心も。

 

困難に立ち向かった背中も。

 

何気なく口にした言葉も。

 

誰かを守った決断も。

 

それらは、次の世代の中に残っていきます。

 

だから、お墓に刻まれているのは、名前だけではない。

 

その人が生きた時間そのものなのです。

 


 

暗闇をなくすことはできません。

 

夜は、必ず来る。

 

死も、避けることはできない。

 

それでも、暗闇の中に一つ、光があれば、人は歩いていける。

 

お墓は、その光の一つなのだと思います。

 

過去から灯された光を、今の私たちが受け取る。

 

そして、まだ見ぬ誰かへ渡していく。

 

それが、「命のバトン」なのではないでしょうか。

 

怖いままで、いい。

 

迷ったままで、いい。

 

強くなくても、いい。

 

ただ、今日を生きてください。

 

あなたの今日の生き方も、いつか誰かの中に残っていくのだから。

 


 

お墓。

 

それは、亡くなった人のためだけにあるものではありません。

 

今日を生きる人のためにあるもの。

 

過去から届いた命を受け取り、明日へ渡していくためのもの。

 

だから、お墓は、命のバトン。

 

いってらっしゃい。

 

 

秋の夜長が、誰にとっても、独りぼっちの夜になりませんように。

 

 

 

石の個性と、家族の物語をつなぐ。

 

命のバトンを、未来へつなぐ伴走者。

射場石利石材株式会社

 六代目当主 射場一之

 

 

 

 

【基本情報】
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L I N E :https://line.me/R/ti/p/@582fiyxj

 

【資 格】
◇ 大阪府知事許可(般-4) 第87663号
◇ 労働大臣認定 1級技能士石加 第84号
◇ 経済産業省公認 石匠位認定 第89001号
◇ お墓ディレクター1級 05-100101-04
◇ 建築石材アドバイザー 222034
◇ 相続診断士 20333425
◇ 終活ガイド 00005872

 

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