射場石利石材株式会社

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2026.09.19

あなたは、ひいおじいさんの名前を知らない。あなたも、忘れられる。シリーズ「お墓は、命のバトン」

 

 

あなたは、先祖のためだけに、お墓へ行っているのではありません。

 

たぶん、どこかで知っています。

 

墓石の前に立ったとき、あなたが見ているのは、過去だけではない。

 

自分の順番です。

 

ひいおじいさんの顔を、思い出せますか。

 

声は。

 

名前は。

 

……思い出せない。

 

それが、普通です。

 

そして、あなたも、そうなります。

 

三代先には、あなたの顔を知らない人がいる。

 

あなたの声を知らない人がいる。

 

あなたの名前さえ、知らない人がいる。

 

これが、誰も避けられない事実です。

 

けれど。

 

この事実のすぐ裏側に、ひとつだけ、明るい未来が隠れています。

 


 

今日は、9月19日。

 

124年前の今日、ひとりの男が亡くなりました。

 

正岡子規。

 

34歳でした。

 

結婚していません。

 

子どももいません。

 

血のつながった子孫を、残してはいません。

 

理屈だけなら、三代先には忘れられているはずでした。

 

ところが、私たちは今も、その名前を知っています。

 

「俳句」という言葉とともに、正岡子規の仕事は、いまも受け継がれています。

 

子規は、晩年、ほとんど寝たきりでした。

 

背中には穴があき、膿が出る。

 

痛みに泣き、叫ぶこともあった。

 

その自分の世界を、子規は「病牀六尺」と書きました。

 

わずか六尺ほどの、自分の寝床。

 

世界が、そこまで小さくなっても。

 

子規は、生きることをやめなかった。

 

亡くなる年の六月、こんな言葉を残しています。

 

 「悟りといふ事は如何なる場合にも平気で生きて居る事であった」

 

死ぬ覚悟ではない。

 

生きる覚悟です。

 


 

亡くなる前日。

 

子規は筆を取りました。

 

そして、自分の死を、三つの句にしました。

 

 

糸瓜咲て痰のつまりし仏かな

 

「仏」とは、自分のこと。

 

その三句を書き終え、子規は筆を置きました。

 

それが、生涯最後の筆でした。

 

自分の墓石に刻む言葉も、自ら残しています。

 

そこにあったのは、立派な肩書きでも、壮大な辞世でもありません。

 

「月給四十円」

 

なんとも、子規らしい。

 

飾らない。

 

大げさにしない。

 

最後まで、自分の生きた現実を置いていく。

 


 

明日から、秋彼岸です。

 

もし、お墓へ行くなら。

 

墓石の前に、少しだけ立ち止まってみてください。

 

桶から水を汲む。

 

ひしゃくを握る。

 

石へ、水をかける。

 

濃く濡れていく石。

 

指先に伝わる、水の温度。

 

線香の煙が、ゆっくり目の前を横切る。

 

そのとき。

 

石の下には、過去がいる。

 

ひしゃくを握っているのは、いまを生きるあなたです。

 

そして、その背中を。

 

まだ小さな目が、見ています。

 

その子は、何も言わない。

 

ただ、見ている。

 

あなたが手を合わせる姿を。

 

あなたが、先祖の話をする姿を。

 

あなたが、石をきれいにする姿を。

 

石の前で、三つの時間が並びます。

 

過去。

 

現在。

 

未来。

 


 

射場石利石材は、創業元禄十五年(1702年)。

 

子規が亡くなったとき、すでに200年が過ぎていました。

 

石は残ります。

 

人が亡くなっても。

 

時代が変わっても。

 

家族の形が変わっても。

 

では、私たちが守っているものは、いったい何なのか。

 

石そのものではありません。

 

「安心」という言葉でもない。

 

人が集まる場所だけでもない。

 

私たちが守りたいのは、「あなたは、ひとりではなかった」と、いつか誰かが気づける仕組みです。

 


 

子規は、ひとりで死んだのではありません。

 

枕元には、母と妹がいました。

 

そして、子規の句を受け取った弟子たちがいた。

 

その弟子にも、弟子がいた。

 

その先に、今日の私たちがいる。

 

誰かが、渡した。

 

誰かが、受け取った。

 

そしてまた、誰かへ渡した。

 

命は、血だけで受け継がれるものではない。

 

生き方の中でも、受け継がれる。

 

それが、命のバトンです。

 

私たちが、320年以上やってきたことも、きっと同じです。

 

石を残すことではない。

 

つながりを、途切れさせないこと。

 


 

百年後の秋を、少しだけ想像してみてください。

 

あなたの名前を知らない少女が、墓石の前にしゃがんでいる。

 

読めない文字を、小さな指でなぞる。

 

そして、大人に聞く。

 

「この人、誰?」

 

そのとき。

 

答えられる大人が、そこにいるでしょうか。

 

いや。

 

名前を知っている必要さえ、ないのかもしれません。

 

「この人がいたから、私たちがいるんだよ」

 

そう言える人がいればいい。

 

あなたの人生は、その一言の中にも残る。

 


 

墓石の前で、後悔する人がいます。

 

「もっと会いに来ればよかった」

 

「あの日、ひとこと言えばよかった」

 

でも。

 

後悔は、石の下には届きません。

 

届くのは、あなたの明日です。

 

なぜなら。

 

まだ、渡せるものがあるからです。

 

まだ、間に合うからです。

 

言葉も。

 

時間も。

 

仕事も。

 

生き方も。

 

そして、あなたが誰かを大切にした、その姿も。

 

あなたの背中にある、まだ小さな目へ。

 

今日、何を渡しますか。

 


 

お墓。

 

それは、亡くなった人を閉じ込める場所ではありません。

 

過去と、現在と、未来が、一度だけ出会う場所です。

 

そして。

 

今日を生きる私たちが、明日へ命を渡す場所です。

 

お墓は、命のバトン。

 

 

石の個性と、家族の物語をつなぐ。

命のバトンを、未来へつなぐ伴走者。

射場石利石材株式会社

六代目当主 射場一之

 

おかえりなさい。

 

彼岸の風が、あなたの背中を、そっと押してくれますように。

 

 

【基本情報】
所 在 地:大阪府茨木市新和町16番19号
電話番号:0120-148183
営業時間:8:00~18:00
定 休 日:年末年始のみ
メ ー ル:info@iba.co.jp
L I N E :https://line.me/R/ti/p/@582fiyxj

 

【資 格】
◇ 大阪府知事許可(般-4) 第87663号
◇ 労働大臣認定 1級技能士石加 第84号
◇ 経済産業省公認 石匠位認定 第89001号
◇ お墓ディレクター1級 05-100101-04
◇ 建築石材アドバイザー 222034
◇ 相続診断士 20333425
◇ 終活ガイド 00005872

 

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