
2026.08.20
悲しみは、消してはいけない。ゴリラが教えてくれたこと。シリーズ「お墓は、命のバトン」

※本稿は、絵本『悲しみのゴリラ』を題材に、筆者の視点で再構成したものです。筆者自身の体験ではありません。
あなたは、大切な人を喪ったあと。
何をしましたか。
泣いた。
言葉を失った。
ただ、時間が過ぎていくのを待った。
そんな夜があった人も、いるかもしれません。
そんなとき、周りの人は言います。
「大丈夫だよ」
「時間が解決してくれるよ」
「元気を出して」
でも。
その言葉は、悲しみの奥まで届いたでしょうか。
届かない。
悲しみが深いほど、人は言葉を失います。
そんなとき、言葉で救おうとしなくてもいいのかもしれません。
一冊の絵本があります。
ママを亡くした男の子のもとに、ある日、一匹のゴリラが現れる。
ゴリラは、何も言わない。
慰めない。
励まさない。
「元気を出して」とも言わない。
ただ。
大きな腕を広げる。
そして、少年をそっと抱きしめる。
それだけだった。
でも。
そこに、大切なことがあります。
ゴリラは、少年の悲しみを消そうとしなかった。
悲しみを、なくそうとしなかった。
悲しみごと。
その少年を抱きしめた。
人は、悲しみに出会うと、「どうすれば、この悲しみをなくせるだろう」と考えてしまいます。
忘れようとする。
気を紛らわせる。
前を向こうとする。
でも、悲しみは、消せば終わるものとは限りません。
むしろ。
消そうとするほど、行き場を失うことがあります。
必要なのは、悲しみを消すことではありません。
悲しみを抱えたままでも、生きていける場所を持つこと。
私は、その場所の一つがお墓なのだと思います。
お墓は、何も言わない。
「もう忘れなさい」とも言わない。
「いつまでも悲しんでいてはいけない」とも言わない。
ただ、そこにある。
悲しみも。
寂しさも。
言えなかったことも。
会いたかった気持ちも。
「あのとき、もっと話しておけばよかった」
「あのとき、もっと会いに行けばよかった」
そんな後悔まで。
全部、その場所に持っていっていいのです。
お墓の前に立つ。
手を合わせる。
それは、何かをきれいに整理するためではありません。
言葉にならないものを、いったん、自分の外に置くためなのかもしれません。
そして、不思議なことに。
そこに置いた悲しみや後悔は、消えなくてもいい。
少しずつ、形を変えていく。
「もっと会いに行けばよかった」という後悔が、「これからは、大切な人にちゃんと会おう」という生き方に変わる。
「もっと話せばよかった」という悔しさが、「今日、ちゃんと話そう」という一歩に変わる。
悲しみが、行動に変わる。
後悔が、生き方に変わる。
ここに、お墓の大きな意味があります。
お墓は、過去に戻る場所ではありません。
未来の自分の生き方を、静かに決める場所でもあります。
だから、私は思うのです。
お墓は、亡くなった人のためだけにあるのではない。
残された人が、「どう生きるか」を思い出すためにもあるのだと。
そして。
いつか、あなた自身も誰かにとっての「ゴリラ」になる。
何かを言う必要はない。
正しい答えを教える必要もない。
ただ、そこにいる。
悲しんでいる人の隣にいる。
その人の悲しみを、消そうとしない。
悲しみごと、受け止める。
それだけで、人はまた歩き出せることがあります。
命は、身体だけで受け継がれるものではありません。
その人が大切にしたもの。
誰かを愛した記憶。
誰かにかけた言葉。
誰かのために選んだ生き方。
それらが、残された人の中に残っていく。
そして、その人の生き方を通して、さらに次の誰かへ渡っていく。
命は、誰かの身体では終わらない。
誰かの生き方の中で、受け継がれていく。
だから。
お墓に手を合わせるということは、ただ過去を振り返ることではありません。
「あなたから受け取ったものを、私はどう未来へ渡そうか」
そう、自分に問いかけることなのかもしれません。
お墓。
それは、命の終着点ではありません。
命のバトンを、次の人へ渡す場所なのです。
そして今日も。
あなたの背中を、見えない誰かの腕が、そっと支えてくれていますように。
おかえりなさい。
そして。
今日を、生きよう。
命は、誰かの身体では終わらない。
誰かの生き方の中で、受け継がれていく。
お墓は、命のバトン。

命のバトンを未来へつなぐ伴走者
射場石利石材株式会社
六代目当主 射場一之
【基本情報】
所 在 地:大阪府茨木市新和町16番19号
電話番号:0120-148183
営業時間:8:00~18:00
定 休 日:年末年始のみ
メ ー ル:info@iba.co.jp
L I N E :https://line.me/R/ti/p/@582fiyxj
【資 格】
◇ 大阪府知事許可(般-4) 第87663号
◇ 労働大臣認定 1級技能士石加 第84号
◇ 経済産業省公認 石匠位認定 第89001号
◇ お墓ディレクター1級 05-100101-04
◇ 建築石材アドバイザー 222034
◇ 相続診断士 20333425
◇ 終活ガイド 00005872
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