
2026.05.15
お墓参りなんて、行かなくていい。(79left)

お墓参りが、嫌いだった。
正確に言うと——怖かった。
なぜ怖いのか、長い間わからなかった。
でも今は、わかる。
怖かったのは、死じゃない。
「お前は、ちゃんと生きたのか」そう聞かれる気がしたから。
父が死んだのは、夏の終わりだった。
「また連絡するよ」と言ったまま、三ヶ月、電話しなかった。
入院したと聞いても、仕事が忙しいと、自分に言い聞かせた。
最後に会ったとき、父は、何も言わなかった。
ただ、ずっとこちらを見ていた。
その目が、今でも消えない。
だから、墓の前に立てなかった。
謝りたいのか。
会いたいのか。
それすら、自分でもわからなかった……。
あなたにも、心当たりがありませんか。
「またいつか」と思って、行かなかった日。
お盆に帰省しながら、お墓参りには行かなかった年。
それは怠慢ではありません。
罰当たりでもない。
向き合う覚悟が、まだできていなかっただけです。
そして正直に言えば、覚悟がいる場所に、行きたくないのは当たり前なんです。
初めて、ひとりで墓前に立った日。
線香に火がつかなくて、何度もライターを鳴らした。
風があった。
石は、冷たかった。
「来たよ」と言おうとした。
でも、声が出なかった。
代わりに、泣いた。
声を殺して、ひとりで、ずっと泣いた。
悲しかった。
後悔もあった。
でも、それだけじゃなかった。
ああ、もう、逃げなくていいんだと思った。
あの感覚を、うまく説明することはできない。
ただ、何かが終わって、何かが始まった。
そんな感触だけが、今も残っている。
お墓というのは、不思議な場所です。
そこには、死者がいる。
でも同時に——「あなたの前に、ここを生きた人たち」がいる。
名前を刻まれた石の向こうに、顔も知らない誰かがいる。
その誰かが、誰かを愛し、守り、働き、悩み、踏ん張って、命を、次へ渡した。
その積み重ねの先に、今のあなたがいるのです。
お墓の前に立つとき、人は、ひとりじゃなくなる。
後ろに、長い長い列が見えるのです。
あなたを生かすために、命を繋いだ人たちの列が。
そしてその列は——あなたの先にも、続いていく。
まだ生まれていない、誰かへ向かって。
お墓は、過去の場所ではありません。
命が、「次へ渡される場所」なのです。
射場石利石材が、お墓を建てるとき。
いつも考えていることがあります。
「この石の前に、何十年後か、誰かが立つ」
その人が、誰なのかはわからない。
でも、きっと立つ。
そして、こう思う瞬間が来る。
「ああ。自分は、ひとりじゃなかったんだ」と。
その瞬間のために、石を選び、手を入れ、文字を刻む。
売っているのは、石ではありません。
刻んでいるのは、名前でもありません。
「あなたは、ひとりじゃない」という記憶です。
どれほど時代が変わっても、どれほど家族の形が変わっても、人は、ひとりでは生きられません。
だから私たちは、石に願いを宿します。
孤独にならないために。
命が、途切れないために。
お墓参りなんて、行かなくていい。
本当に。
怖いなら、今は行かなくていい。
準備ができていないなら、無理をしなくていい。
ただ——その場所は、ずっとそこにあります。
雨の日も。夏の日も。誰も来ない冬の朝も。
静かに、そこにあります。
あなたが、「向き合ってみよう」と思える日を、待ちながら。
そして、その墓石の前に立ったとき。
あなたは、きっと気づくはずです。
自分は、ひとりじゃなかった。
ずっと、ひとりじゃなかったんだと。
お墓。
それは、今日を笑顔にするもの。
そして——
明日を、生きる力に変えるもの。
いってらっしゃい。
風薫る五月。
あなたと、あなたの大切な人が、今日も誰かに、「ありがとう」と言えますように……。

射場石利石材
六代目当主 射場一之
【基本情報】
所 在 地:大阪府茨木市新和町16番19号
電話番号:0120-148183
営業時間:8:00~18:00
定 休 日:年末年始のみ
メ ー ル:info@iba.co.jp
L I N E :https://line.me/R/ti/p/@582fiyxj
【資 格】
◇ 大阪府知事許可(般-4) 第87663号
◇ 労働大臣認定 1級技能士石加 第84号
◇ 経済産業省公認 石匠位認定 第89001号
◇ お墓ディレクター1級 05-100101-04
◇ 建築石材アドバイザー 222034
◇ 相続診断士 20333425
◇ 終活ガイド 00005872
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