
2026.05.12
あなたが今日会った人は、明日いなくなるかもしれない(82left)

今日、あなたが笑って話した人が、
明日、この世にいないかもしれません。
その現実を、人は普段、見ないようにして生きています。
でも——ある一首の短歌が、その感覚を、胸ぐらを掴むみたいに引き戻してきました。
「遺骨なき空白埋めんと克明に刻まれている祖父の戦歴」
読んだ瞬間、息が詰まりました。
遺骨が、帰ってこなかった。
南方のどこかで、祖父は死んだ。
どこで倒れたのかも、わからない。
骨を拾う人も、いなかった。
残ったのは——空白だけ。
その空白に、孫は何を思ったのか。
戦った場所。
転戦した日付。
生死の境を越えた記録。
祖母は夫の戦歴を、全部、墓石になぜ、刻んだのか。
歴史を残したかったわけじゃない。
悲しみを記録したかったわけでもないと思います。
骨がない。
抱きしめるものがない。
手を合わせる場所もない。
だから——石に頼んだのです。
「お父さんは、いた」
そのことを、息子が忘れないために。
まだ見ぬ孫が、「自分はここから来た」と知るために。
人の記憶は、消えます。
でも、石は残る。
ここで、ひとつ。
今日、壊れる常識があります。
お墓は、死者のためにあるのではありません。
生きている人間が、孤独にならないためにあるのです。
「そんなはずない。お墓は先祖を供養する場所だ」
そう感じた人もいるでしょう。
でも——あの墓石の前に立ったことがある人なら、きっとわかるはずです。
線香の煙が、風に流れていく。
手を合わせた瞬間、頭の中の雑音が、すっと静かになる。
なぜか。
そこに、声にならない声があるからです。
「お前は、ひとりじゃない」
石が発する、体温のない体温。
先祖が生きていた。
苦しんだ。
愛した。
諦めなかった。
そして——あなたに繋いだ。
その事実が、足元から伝わってくる。
お墓とは、そういう場所です。
射場石利石材が守っているのは、墓石ではありません。
人が、「自分はひとりじゃない」と思い出せる場所です。
根っこが切れた木は、倒れます。
人も同じです。
どこから来たかわからなくなると、どこへ向かえばいいかも、わからなくなる。
お墓は、根っこです。
先祖という根っこ。
自分という幹。
まだ見ぬ子孫という枝葉。
石は、その接続点に立っています。
嵐の夜も。
誰も来ない冬の朝も。
ただ——そこにいる。
それだけで、木は倒れない。
後悔している人を、知っています。
「もっと話しておけばよかった」
「最後に、顔を見ればよかった」
その後悔は、消えません。
でも——変わります。
墓石の前に立ったとき、後悔は、覚悟に変わる。
「今日、ちゃんと生きよう」
そんな綺麗ごとじゃない。
もっと切実なものが、腹の底から出てくる。
「今日会う人を、ちゃんと見よう」
「今日交わす言葉を、ちゃんと選ぼう」
「今日という一日を——後悔しない形で終わらせよう」
お墓は、過去に引き戻す場所ではありません。
今日を、前に押し出してくれる場所です。
お墓は、死を閉じ込める場所ではありません。
生きてきた時間を、未来へ手渡す場所です。
だから——
今日会う人を、大切にしてください。
その人の顔を、ちゃんと見てください。
交わす言葉を、少しだけ丁寧にしてください。
明日も会えるとは、限らないのだから。
青葉のやわらかい季節。
あなたの今日が、誰かの支えになりますように。
いってらっしゃい。

射場石利石材
六代目当主 射場一之
【基本情報】
所 在 地:大阪府茨木市新和町16番19号
電話番号:0120-148183
営業時間:8:00~18:00
定 休 日:年末年始のみ
メ ー ル:info@iba.co.jp
L I N E :https://line.me/R/ti/p/@582fiyxj
【資 格】
◇ 大阪府知事許可(般-4) 第87663号
◇ 労働大臣認定 1級技能士石加 第84号
◇ 経済産業省公認 石匠位認定 第89001号
◇ お墓ディレクター1級 05-100101-04
◇ 建築石材アドバイザー 222034
◇ 相続診断士 20333425
◇ 終活ガイド 00005872
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