
2026.09.22
短い戒名の姉に、茄子の馬。――シリーズ「お墓は、命のバトン」

茄子の馬に、誰を乗せるか。
考えたことがありますか。
茄子に割り箸を四本。
それだけです。
子どもでも作れる。
けれど、その馬の背に、もう二度と抱きしめられない誰かを乗せる瞬間。
それはもう、「作業」ではありません。
新聞の俳壇に、こんな句がありました。
戒名の短き姉に茄子の馬
(注)「茄子の馬」は初秋の季語
戒名が、短い。
そこには、生きた時間の短さがあります。
けれど。
その短さでは、家族の記憶まで短くはなりません。
運動会も。
誕生日も。
けんかも。
仲直りも。
一緒に歳を重ねる時間も。
なかった。
なかったはずの時間を、家族は、毎年思い出す。
そして、ほんの小さな茄子の馬に、その人を乗せる。
まるで、「また今年も帰っておいで」と。
供養という言葉だけでは、片づけられないものがあります。
それは、「その人と一緒に生きられたはずの時間」。
失ったのは、過去だけではありません。
本当はあったかもしれない、未来まで失っている。
だから人は、名前を呼ぶ。
だから人は、墓前に立つ。
だから人は、茄子の馬をつくる。
短い戒名に、長い記憶を乗せるために。
お墓とは、何のためにあるのでしょう。
死んだ人のため。
もちろん、それもあります。
でも、それだけではありません。
お墓は、過去と現在と未来をつなぐ場所です。
そこには、亡くなった人がいる。
その人を覚えている、今を生きる人がいる。
そしていつか、その人のことを知らない世代がやってくる。
それでも石には、名前が残る。
誰かが、また名前を読む。
「この人は、誰だったんだろう」
そこから、家族の物語が始まる。
命は、身体だけで受け継がれるのではありません。
生き方の中で、記憶の中で、物語の中で受け継がれていく。
だから私は思うのです。
お墓は、死者を閉じ込める場所ではない。
命を、次の世代へ渡す場所なのだ、と。
射場石利石材は、先祖代々320年以上、この仕事を続けてきました。
それは、立派な墓石を建てるためだけではありません。
私たちが守っているのは、「人が、孤独にならない構造」なのだと思っています。
生きられなかった命も。
忘れられそうになった名前も。
墓石という、消えにくい形に残す。
そして、「あなたは、ここにいた」と、未来に残す。
それが、私たちの仕事です。
もし、あなたが今日、いなくなったとしたら。
あなたの名前を、誰が呼ぶでしょう。
十年後。
三十年後。
百年後。
少し怖い問いかもしれません。
けれど、これは「死」の話だけではありません。
あなたが、何を次の世代に残すのか。
その話です。
茄子の馬をつくる、ほんの数分。
人はその間だけ、損得を忘れる。
忙しさも忘れます。
ただ、誰かのために手を動かす。
そして、その瞬間。
亡くなった人は、もう「過去の人」ではありません。
家族の中に、もう一度帰ってきます。
お墓は、後悔の象徴ではありません。
命を、もう一度つなぎ直す場所です。
お墓。
それは、今日を笑顔にするもの。
明日を、少し元気にするもの。
そして、まだ見ぬ未来へ、命のバトンを渡すもの。
おかえりなさい。
秋風に、彼岸花が揺れるこの季節。
遠い先祖を想い、近くにいる家族を想う。
振り返れば、私たちの命は、たくさんの命の先にあります。
このお彼岸が、受け継がれてきた命に「ありがとう」と伝える時間になりますように。
そしてまた、それぞれの今日へ。

石の個性と、家族の物語をつなぐ。
のバトンを、未来へつなぐ伴走者。
射場石利石材株式会社
六代目当主 射場一之
【基本情報】
所 在 地:大阪府茨木市新和町16番19号
電話番号:0120-148183
営業時間:8:00~18:00
定 休 日:年末年始のみ
メ ー ル:info@iba.co.jp
L I N E :https://line.me/R/ti/p/@582fiyxj
【資 格】
◇ 大阪府知事許可(般-4) 第87663号
◇ 労働大臣認定 1級技能士石加 第84号
◇ 経済産業省公認 石匠位認定 第89001号
◇ お墓ディレクター1級 05-100101-04
◇ 建築石材アドバイザー 222034
◇ 相続診断士 20333425
◇ 終活ガイド 00005872
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