
2026.06.22
あなたは、結局、父になっていた。(53left)

あなたは、父のことを嫌っていた。
少なくとも、中学生の頃は。
「あんな大人にはならない」
そう決めた。
仕事も。
生き方も。
怒り方も。
黙り方も。
何ひとつ真似しないと。
ところが──。
父の日に、ふと鏡を見る。
そこにいる。
父が。
そして、その顔で生きている自分がいる。
逃げたはずだった。
違う人生を選んだはずだった。
それなのに気づけば、父が歩いた道の途中に立っている。
けれど……。
これは失敗の話でありません。
後悔の話でもありません。
もっと静かで、もっと大きな話です。
最初から、そうなるようにできていた……。
お墓は、亡くなった人のためにある。
そう思っていませんか。
違います。
お墓は、死者のためだけの場所ではありません。
そこは、あなたの父が立っていた場所であり、あなたが今、立っている場所であり、まだ生まれていない誰かが、いつか立つ場所です。
三つの時間が、ひとつの石の前で重なる。
ただ、それだけのことです。
父の日に墓前へ立つとき、あなたが見ているのは過去ではありません。
あなたが見ているのは、自分がどこから来て、どこへ向かうのかという、一本の線です。
人は、未来だけを見て生きているのではありません。
人は、受け継いだ時間の続きを生きているのです。
ある日。
ひとりの男性が店を訪ねて来られました。
亡くなった父親のお墓を、そろそろ建てたい、と。
話を聞くうちに、その方はぽつりと漏らしました。
「父とは、最後まで分かり合えなかった気がします」
長い沈黙がありました。
きっと、言葉にできなかったことがたくさんあったのでしょう。
伝えられなかった思いも。
受け取れなかった愛情も。
それでも。
その方は、墓石の前に立つことを選びました。
仲が良かったからではありません。
感謝していたからでもありません。
むしろ、分かり合えなかったからこそ。
そこに立つ必要があったのです。
孤独とは、誰にも理解されないことではありません。
孤独とは、立つ場所を失うことです。
人は、立つ場所があるから前を向ける。
振り返る場所があるから、歩いていける。
射場石利石材が守っているものは、石ではありません。
その人が、ひとりで立たなくていい場所です。
父の日に、自分が父と同じ道を歩いていることに気づく。
最初は、少し苦い気持ちになるかもしれません。
「あの人みたいにはなりたくなかった」
そう思っていたのだから。
けれど、もう一度だけ鏡を見てください。
そこに映っているのは、逃げ切れなかった証ではありません。
続いている証です。
父の人生は終わった。
けれど、父の時間は終わっていない。
あなたが今日、誰かを叱るその声にも。
誰かを守ろうとするその沈黙にも。
誰かを思いやるその優しさにも。
父はいる。
血が受け継がれるのではありません。
生き方が受け継がれるのです。
父が歩いた道の続きを、あなたが歩いている。
それは弱さではありません。
覚悟です。
人は、一人で生きているように見えて、誰かの続きを生きている。
そして、自分の続きをまた、誰かへ渡していく。
お墓とは、死者の住所ではありません。
命が受け渡された証明書です。
だから私たちは、墓石を売りません。
百年後の家族の背骨を、設計しています。
お墓。
それは、今日を笑顔にするもの。
それは、明日を元気にしてくれるもの。
行ってらっしゃい。
梅雨の合間に咲く花のように、今日も、あなたの立つ場所に光がありますように。

射場石利石材
六代目当主 射場一之
【基本情報】
所 在 地:大阪府茨木市新和町16番19号
電話番号:0120-148183
営業時間:8:00~18:00
定 休 日:年末年始のみ
メ ー ル:info@iba.co.jp
L I N E :https://line.me/R/ti/p/@582fiyxj
【資 格】
◇ 大阪府知事許可(般-4) 第87663号
◇ 労働大臣認定 1級技能士石加 第84号
◇ 経済産業省公認 石匠位認定 第89001号
◇ お墓ディレクター1級 05-100101-04
◇ 建築石材アドバイザー 222034
◇ 相続診断士 20333425
◇ 終活ガイド 00005872
新着情報
アーカイブ