
2026.03.15
「人は二度死ぬ」——お墓の前に立った少年が、それを教えてくれた。~ お墓は、死者のためにあるのではない~(135left)

人は、二度死ぬ。
そう言われることがあります。
一度目は、
命が終わるとき。
二度目は、
その人のことを思い出す人が、
この世からいなくなったとき。
あなたは
大切な人と交わした
最後の言葉を覚えていますか。
思い出せる人もいるでしょう。
けれど多くの人は、
思い出そうとして
途中で止まります。
あの日の会話は
たいてい、何でもない話だったからです。
「また来るね」
「気をつけて帰りなさい」
そんな
どこにでもある言葉。
でも、あとになって
気づくのです。
それが
最後だったと。
人は別れの瞬間に
「これが最後だ」と
知らされません。
だからこそ
後悔は、
静かに心の奥に残ります。
新聞の歌壇に
こんな一首がありました。
他人の手に化粧ゆだねし義母なれど
蠟燭の下おもかげ浮かぶ
棺の中で
義母の頬に触れているのは
家族ではなく、見知らぬ人の手。
それを見つめながら
作者は何を思っていたのでしょう。
悔しさだったのか。
寂しさだったのか。
この短歌は
それを語りません。
ただ——
蠟燭の揺れる光の中で
ふっと浮かび上がる面影を
静かに詠んでいる。
それだけです。
けれど
その「それだけ」が
胸に深く残ります。
数年前のお彼岸。
私は
ある光景を見ました。
小学三年生くらいの男の子が
お墓の前にしゃがみ込み
こう言っていたのです。
「じいちゃん、俺な
野球チームに入ってん」
「ピッチャーやってんねんで」
隣に立つ母親が
そっと涙を拭いていました。
おじいちゃんは
その子が生まれる前に
亡くなっていたのでしょう。
会ったことは
一度もありません。
それでも少年は
まるで久しぶりに会った人に
報告するように
嬉しそうに
話していました。
そのとき私は
気づいたのです。
お墓は
死んだ人のためにあるのではない。
生きている人が
「自分はどこから来たのか」を
思い出す場所なのだと。
あの少年は
おじいちゃんに話していたのではありません。
自分が
誰かにつながっている命だということを
身体で
感じていたのです。
最近、
こんな相談が増えています。
「お墓って、
本当に必要なんでしょうか」
時代は変わりました。
家族の形も
変わりました。
だから
墓もいらないのではないか。
そう考える人が
増えているのも事実です。
けれど——
本当にそうでしょうか。
石に名前を刻むということは
その人が
この世にいたという事実を
時間の中に
残すということです。
そして同時に
自分もまた
その時間の中を
生きているのだと
静かに
受け入れることでもあります。
だから人は
お墓を遠ざけます。
向き合うのが
少し怖いからです。
けれど不思議なことに
お墓の前に立つと
人は静かになります。
そこには
時間が流れているからです。
過去があり
今があり
未来がある。
その流れを
身体で感じるからです。
私たち射場石利石材は
墓石を売る会社ではありません。
私たちが刻んでいるのは
石ではなく
家族の時間です。
十年後。
二十年後。
そして百年後。
まだ生まれていない子どもが
この石の前に立ち
「じいちゃん、俺な」
そう言って
未来の話を始める。
その瞬間を
私たちは設計しています。
石は
記念碑ではありません。
家族が帰ってくる場所です。
迷ったとき。
疲れたとき。
うれしいとき。
「あそこに行けば
あの人がいる」
そう思える場所が
この世界にあること。
それが
人の心を
静かに支えるのだと
私は思っています。
後悔と愛情は
ときどき
同じ形をしています。
だから人は
お墓の前で手を合わせるのです。
謝るために。
ありがとうを言うために。
そして
もう一度
今日を生きるために。
お墓。
それは
過去の場所ではありません。
今日を生きるための場所です。
春のお彼岸。
もしよろしければ
あの人に
会いに行ってみてください。
あなたの足元に
やわらかな光が
差し込みますように。

射場石利石材
六代目
射場一之
私たちは
石を売りません。
私たちは
百年後の家族の背骨を
設計しています。
【基本情報】
所 在 地:大阪府茨木市新和町16番19号
電話番号:0120-148183
営業時間:8:00~18:00
定 休 日:年末年始のみ
メ ー ル:info@iba.co.jp
L I N E :https://line.me/R/ti/p/@582fiyxj
【資 格】
◇ 大阪府知事許可(般-4) 第87663号
◇ 労働大臣認定 1級技能士石加 第84号
◇ 経済産業省公認 石匠位認定 第89001号
◇ お墓ディレクター1級 05-100101-03
◇ 建築石材アドバイザー 222034
◇ 相続診断士 20333425
◇ 終活ガイド 00005872
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