射場石利石材株式会社

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2026.09.26

あなたが死んだあと、誰があなたの名前を呼ぶのか。――シリーズ「お墓は、命のバトン」

 

 

幽霊が出ない家は、もう終わっている。

 

……そう聞くと、少し怖いでしょうか。

 

でも、ここでいう「幽霊」は、怖い存在のことではありません。

 

誰かに、まだ覚えていてもらえる人。

 

誰かの記憶の中に、まだ生きている人。

 

そんな存在のことです。

 

人は、死ぬことを恐れます。

 

けれど。

 

本当に怖いのは、死ぬことではないのかもしれません。

 

忘れられることです。

 

今日、9月26日は、小泉八雲の忌日「八雲忌」。

 

本名、ラフカディオ・ハーン。

 

ギリシャに生まれ、アイルランドで育ち、アメリカへ渡った。

 

いくつもの国を生きた彼には、「ここが自分の故郷だ」と呼べる場所が、最初からあったわけではありません。

 

そんな彼が、晩年まで書き続けたのが、日本の怪談でした。

 

『怪談』。

 

雪女。

耳なし芳一。

ろくろ首。

 

日本人が昔話として受け継いできた、死者と生者の境界にある物語たちです。

 

なぜ彼は、これほどまでに日本の幽霊に惹かれたのでしょう。

 

私は、そこに一つの答えがあるように思います。

 

「自分も、誰かの記憶の中に残りたい」

 

そんな願いです。

 

ハーンが見た日本では、死者は完全には消えません。

 

お盆になれば、先祖を迎える。

 

お墓に手を合わせる。

 

位牌に向かって語りかける。

 

線香の煙の向こうに、亡くなった人の気配を感じる。

 

死者は、生活の外へ追い出されるのではなく、生きている人の暮らしの中に、静かに居続けます。

 

それは、ハーンが見つけた日本の大きな魅力の一つだったのではないでしょうか。

 

彼は日本に生き、小泉セツと家庭を築き、最後には東京・雑司ヶ谷に眠ることになった。

 

そこには今も、彼の名が刻まれています。

 

そして、そのお墓を訪れる人がいる。

 

つまり。

 

人は、身体がなくなった瞬間に、すべてが終わるわけではないのです。

 

誰かの記憶に残り、誰かの言葉になり、誰かの生き方に受け継がれていく。

 

命は、身体から身体へだけ、受け継がれるものではありません。

 

生き方から、生き方へ。

 

思いから、思いへ。

 

物語から、物語へ。

 

そうやって、次の世代へ渡っていく。

 

私たちが石材店として320年、守ってきたものも、本当は「石」だけではありません。

 

戦があっても。

 

時代の名前が変わっても。

 

家族の形が変わっても。

 

誰かが生きた証を、次の世代へ手渡していく。

 

そのための場所を、つくり続けてきました。

 

お墓は、死者を閉じ込める場所ではありません。

 

命のバトンを、次の人へ渡す場所なのです。

 

だから私は思います。

 

お墓に手を合わせるというのは、「死んだ人のために何かをする」ことだけではありません。

 

そこに立って、「自分は、どこから来たのか」

 

「誰に支えられて、今ここにいるのか」

 

「そして、自分は何を次の世代に渡すのか」

 

それを確かめる時間なのだと思います。

 

お墓の前では、自分が一人で生きてきたわけではないことに気づきます。

 

祖父母がいた。

 

父や母がいた。

 

そのまた前にも、誰かがいた。

 

その人たちが生きた時間の先に、今日の自分がいる。

 

そして、いつか。

 

自分もまた、誰かの記憶になる。

 

だから——

 

「忙しいから」

 

「遠いから」

 

「なかなか行けないから」

 

そんな理由で、お墓から足が遠のくことを責めたいわけではありません。

 

むしろ、たまには思い出してほしい。

 

名前を呼んでほしい。

 

近況を報告してほしい。

 

「おかげさまで、元気にやっています」と。

 

それだけでもいいのです。

 

お墓の前で笑ったっていい。

 

近況を話したっていい。

 

泣いたっていい。

 

そこには、あなたが受け取ってきた命の物語がある。

 

そして、その物語は、あなたのところで終わる必要はありません。

 

命は、誰かの身体ではなく、生き方の中で受け継がれる。

 

だから、お墓は「過去」のためだけにあるのではない。

 

今日を生きるためにある。

 

明日へ歩いていくためにある。

 

そして、次の誰かへ命のバトンを渡すためにあるのです。

 

 

秋になると、金木犀の香りがする。

 

ふと、昔の誰かを思い出すことがある。

 

それでいい。

 

思い出した瞬間、その人は、もう一度あなたの中で生きているのです。

 

この秋。

 

大切な人の名前を、呼んでみてください。

 

そして、自分が受け取ったものを、次の誰かへ一つだけ渡してみてください。

 

お墓は、命の終着点ではありません。

 

命のバトンが、次の世代へ渡っていく場所なのですから。

 

おかえりなさい。

 

金木犀の香りに包まれて、この秋も、大切な人を思い出す時間がありますように。

 

石の個性と、家族の物語をつなぐ。

命のバトンを未来へつなぐ伴走者。

 

射場石利石材株式会社

六代目当主 射場一之

 

 

【基本情報】
所 在 地:大阪府茨木市新和町16番19号
電話番号:0120-148183
営業時間:8:00~18:00
定 休 日:年末年始のみ
メ ー ル:info@iba.co.jp
L I N E :https://line.me/R/ti/p/@582fiyxj

 

【資 格】
◇ 大阪府知事許可(般-4) 第87663号
◇ 労働大臣認定 1級技能士石加 第84号
◇ 経済産業省公認 石匠位認定 第89001号
◇ お墓ディレクター1級 05-100101-04
◇ 建築石材アドバイザー 222034
◇ 相続診断士 20333425
◇ 終活ガイド 00005872

 

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