
2026.06.30
百年、見なかった。─ 石屋が見てきた、人生の風景(45left)

新聞で、一首の短歌に出会いました。
いつだって 見ようとすれば見れたのに 百年海を見なかった祖母
百年。
海は、ずっと、そこにありました。
見ようと思えば、いつでも見られた。
それなのに、見なかった。
私は、この一首から目を離すことができませんでした。
あなたは、この祖母を見て、何を感じますか。
「もったいない。」
そう思ったなら、次に見るべき人は、祖母ではありません。
あなた自身です。
私たちにもあります。
見ようと思えば、見られるのに、見ていないものが。
海ではないかもしれません。
電話の向こうの、親の声かもしれません。
車で三十分の実家かもしれません。
歩いて行ける距離のお墓かもしれません。
「いつでも行ける。」
人は、その言葉を口にした瞬間から、行かなくなります。
そして不思議なことに、後悔は、その日から静かに育ちはじめます。
人は、失ったから後悔するのではありません。
本当に苦しむのは、見ようと思えば見られたものを、自分で見なかったこと。
その事実なのです。
お墓は、死んだ人のための場所だと思われています。
私は、そうは思いません。
お墓は、死者の住所ではありません。
生きている人間の心を、過去から未来へつなぐための装置です。
百年見なかった海は、今もそこにあります。
波の音も。
潮の香りも。
変わることなく、そこにあります。
お墓も同じです。
あなたが十年訪れなくても、雨の日も、雪の日も、黙って、そこに立ち続けています。
責めることもありません。
急かすこともありません。
ただ、あなたが来る日を待っています。
問題は、海が消えることではありません。
問題は、
あなたが、見る機会を、自分の手で失ってしまうこと。
そこにあります。
ある日、一人の女性が来られました。
お父様のお墓を、十五年間訪ねていなかった方です。
「行こうと思えば、いつでも行けたんです。」
その一言を口にしたあと、
墓石の前で、初めて声を上げて泣かれました。
十五年分の言葉が、静かに、堰を切ったようにあふれました。
お父様は、もう何も語りません。
けれど彼女は、ようやく語ることができました。
孤独だったのは、お父様ではありません。
十五年間、お父様に会えなかった娘でもありません。
本当は、十五年間、自分自身の心に会えなかった彼女だったのです。
お墓は、死者を慰める場所ではありません。
生きている人が、孤独から帰ってくる場所です。
射場石利石材は、墓石を売る会社ではありません。
創業以来三百二十四年、私たちが守り続けてきたのは、人が孤独にならないための場所でした。
石を積み上げてきたのではありません。
会えなくなった人とも、もう一度、心の中で向き合える時間を、積み重ねてきました。
それが、私たちの仕事です。
百年、海を見なかった祖母を、悲しい人だとは思わないでください。
それよりも、今日、あなたは何を見ますか。
誰に会いますか。
誰の声を聞きますか。
「いつでも行ける。」
その一日が、人生では、いちばん危ういのです。
だから今日。
見ようと思えば見られるものを、どうか、見てください。
会おうと思えば会える人に、どうか、会ってください。
その一歩は、亡き人のためではありません。
これからを生きる、あなた自身のためです。
私たちは墓石を売りません。
「また会える人生」を設計しています。

射場石利石材株式会社
六代目当主 射場一之
【基本情報】
所 在 地:大阪府茨木市新和町16番19号
電話番号:0120-148183
営業時間:8:00~18:00
定 休 日:年末年始のみ
メ ー ル:info@iba.co.jp
L I N E :https://line.me/R/ti/p/@582fiyxj
【資 格】
◇ 大阪府知事許可(般-4) 第87663号
◇ 労働大臣認定 1級技能士石加 第84号
◇ 経済産業省公認 石匠位認定 第89001号
◇ お墓ディレクター1級 05-100101-04
◇ 建築石材アドバイザー 222034
◇ 相続診断士 20333425
◇ 終活ガイド 00005872
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