
2026.05.10
お墓は、死者のためではありません。――人が孤独にならないためにあるのです。(84left)
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父の命日に、息子はお墓へ行きませんでした。
洗っていたのは、自分の作業着か、それともかつて父が着ていた作業着か……。
新聞にこんな短歌を投書した人がいました。
「ああ父の祥月命日ていねいに作業着洗う週末過ごす」
私にはこんな光景が浮かびました。
洗濯機の音だけが響く、静かな朝。
一枚ずつ。
皺を伸ばすように。
父の人生をなぞるように。
彼は父の「生き方」に向き合っていたのです。
それだけだったのでしょう。
でも、その手の動きの中に、
確かに父はいた。
「お墓参りに行かない若者が増えている」
そう言われるたびに、少し寂しく感じる人も多いでしょう。
でも、私は思います。
問題は、行かないことじゃない。
「なぜ、お墓に行くのか」
その意味を、誰も受け取れないまま大人になったことです。
正直に言いましょう。
いま、お墓ばなれが進んでいます。
散骨。
樹木葬。
デジタル追悼。
「墓石なんていらない」
そんな声も、もう珍しくありません。
でもそんな感覚は、間違いではないと思います。
形は変わっていい。
時代も変わっていい。
でも、ひとつだけ。
どうしても、残さなければならないものがあります。
あなたには今、「立ち返る場所」がありますか。
人は、弱い。
折れる。
迷う。
自分が何者かわからなくなる日がある。
そんなとき。
お墓の前に立つと、不思議と、背筋が伸びます。
「おまえは、一人で生きてきたんじゃない」
墓石が、そう言っている気がする。
言葉ではありません。
温度でもありません。
ただ、そこにある。
百年前から。
雨の日も。
雪の日も。
黙って、そこにある。
それが、人を支えます。
息子は、なぜ作業着を洗ったのでしょうか。
息子は父の跡を継いで職人になったのかもしれません。
父は、どんな朝も、清潔な作業着を着て家を出た。
「仕事をなめるな」
そんなことは、一度も言わなかった。
でも、背中で言い続けていた。
息子は、それを知っていた。
だから命日に、洗った。
ていねいに。
一枚ずつ。
墓前に花を供えるより、その行為のほうが、父への返答だった。
祈りとは、手を合わせることだけではありません。
祈りとは、生き方を受け継ぐことです。
射場石利石材が守っているのは、石ではありません。
「人が孤独にならないための場所」を守っています。
形は変わっていいのです。
墓石じゃなくてもいいのです。
でも、人が「自分は、誰につながっているのか」を見失ったとき。
人は、根を失います。
見た目は立っている。
でも、次の嵐で折れる。
私たちは、その“根”を守っているのです。
売っているのは、墓石ではありません。
百年後。
あなたの孫が、まだ見ぬ誰かの名前に手を合わせたとき。
「ああ、自分は一人じゃないんだ」
そう思える場所。
その場所を、未来に残したい。
ただ、それだけを考えています。
お墓がなくなる未来は、来るかもしれません。
でも。
人が「つながり」を失っていい未来は、来ません。
形は、変わっていい。
ただ──
「自分は、誰につながっているのか」
その問いだけは、消してはいけません。
その問いを持って生きる人間と、持たずに生きる人間では、
同じ一日でも、人生の重さが変わります。
お墓。
それは、過去のための場所ではありません。
今日を、生き抜くための場所です。
明日を、笑って迎えるための場所です。
いってらっしゃい。
どうか今日も、あなたが「誰かにつながっている」と感じながら、その一日を生き切れますように。

想いは、やがて誰かの支えになる。
射場石利石材
六代目当主 射場一之
【基本情報】
所 在 地:大阪府茨木市新和町16番19号
電話番号:0120-148183
営業時間:8:00~18:00
定 休 日:年末年始のみ
メ ー ル:info@iba.co.jp
L I N E :https://line.me/R/ti/p/@582fiyxj
【資 格】
◇ 大阪府知事許可(般-4) 第87663号
◇ 労働大臣認定 1級技能士石加 第84号
◇ 経済産業省公認 石匠位認定 第89001号
◇ お墓ディレクター1級 05-100101-04
◇ 建築石材アドバイザー 222034
◇ 相続診断士 20333425
◇ 終活ガイド 00005872
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