
2026.07.21
シリーズ「お墓は、命のバトン」鏡台を捨てる日、あなたは母を二度失う。(27left)

新聞の歌壇にこんな短歌がありました。
廃棄する鎌倉彫の鏡台にふれつつ母をおもう梅雨の夜
今日は、この一首の作者に向けて文章を紡ぎたいと思います。
粗大ごみの申し込みは、三分で終わります。
けれど。
その三分で終わるのは、鏡台ではありません。
あなたは今、母が毎朝座っていた鏡台を処分しようとしています。
「もう誰も使わないから」
その判断は、きっと間違っていない。
けれど、指だけが止まる。
鎌倉彫の木目に触れた瞬間、身体が、小さく拒んでいる。
それは迷いではありません。
記憶が、手を止めているのです。
鏡の前だけで、母は一人になっていた。
妻でもない。
母でもない。
誰かの娘でもない。
誰にも見せなかった、一人の人間として、そこに座っていた。
あなたは、その顔を知らない。
白粉をのせる前、小さく息をついた理由も知らない。
笑顔になる前に、どんな涙を飲み込んでいたのかも知らない。
それでも、その鏡だけは知っている。
考えてみてください。
あなたが今、目を逸らしているのは、鏡台ではありません。
母という一人の人間と、本当の意味で向き合わなかった時間ではないでしょうか。
粗大ごみの日は、来週。
けれど、本当に失われるものは、木でも鏡でもありません。
「母は、どんな人生を生きたのだろう」
その問いを持つ機会なのです。
お墓も、同じです。
墓石は、命の主役ではありません。
主役は、その前で立ち止まる人です。
石は、命を閉じ込めるためにあるのではありません。
命を、思い出すためにあるのです。
そこへ立つと、不思議な感覚になることがあります。
「まだ、見られている」
そんな気がする。
亡くなった人が、あなたを見ている。
いいえ。
本当は違います。
その人の生き方が、今のあなたを静かに見つめているのです。
孤独とは、一人でいることではありません。
「もう誰にも見られていない」
そう思ってしまうことです。
けれど、受け継がれた命は違います。
親から子へ。
祖父母から孫へ。
言葉にならなかった優しさも。
誰にも語られなかった覚悟も。
生き方は、静かに渡されていきます。
それが、命のバトンなのです。
人は、二度死ぬ。
一度目は、息を引き取った日。
二度目は、その人の生き方を、誰も語らなくなった日。
だからお墓は、死者のためにあるのではありません。
生きる人が、命を受け継ぐためにあるのです。
射場石利石材が守っているのは、石ではありません。
受け継がれる命です。
「私は、ここから生きてきた」
そう思い出せる場所です。
そして、「私は、この命を誰へ渡そう」そう決意できる場所です。
だから、お墓は、過去へ向かう場所ではありません。
未来へ歩き出す場所なのです。
粗大ごみの日は、来週です。
その前に、一度だけ。
鏡の前に立ってみてください。
そこに映るのは、今日のあなたです。
けれど、その目の奥には、母が最後まで信じ続けた命があります。
鏡台は、母を残していたのではありません。
母の生き方を、あなたへ手渡していたのです。
だから、捨てられるのは鏡台ではない。
受け継ぐはずだった命なのです。
お墓は、今日を笑顔にするもの。
お墓は、明日を元気にしてくれるもの。
おかえりなさい。
ひまわりが太陽へ向かうように、今日も、誰かの生き方が、あなたの背中を、そっと押しています。

命のバトンを未来へつなぐ伴走者
射場石利石材株式会社
六代目当主 射場一之
【基本情報】
所 在 地:大阪府茨木市新和町16番19号
電話番号:0120-148183
営業時間:8:00~18:00
定 休 日:年末年始のみ
メ ー ル:info@iba.co.jp
L I N E :https://line.me/R/ti/p/@582fiyxj
【資 格】
◇ 大阪府知事許可(般-4) 第87663号
◇ 労働大臣認定 1級技能士石加 第84号
◇ 経済産業省公認 石匠位認定 第89001号
◇ お墓ディレクター1級 05-100101-04
◇ 建築石材アドバイザー 222034
◇ 相続診断士 20333425
◇ 終活ガイド 00005872
新着情報
アーカイブ