
2026.05.27
人は、二度死ぬ。だから、お墓がいる。(69left)

母の日の朝。
一人の女性が、お墓の前に立っている。
手には、小さな花束。
でも、渡す相手は、もう、ここにはいない。
彼女は、何度も花を持ち直す。
渡せない相手に、渡そうとするように。
何も言わない。
泣きもしない。
ただ、長い時間、石を見つめている……。
——そんな背中を、見たことがありますか。
あるいは……。
その背中は、あなた自身ではありませんか。
新聞に、一首の短歌がありました。
「子どもの日、母の日、父の日来る前に味わう前に結希君逝けり」
読んだ瞬間、言葉が止まりました。
今年3月、義父により11歳という短い生涯を閉じられた結希君。
それなのに、6月は今年も、何事もなかったように巡ってこようとしています。
世界は動き続けています。
それが、残された人間には、一番きつい。
お墓は、死者のためだけのものではありません。
生き残った人間が、「これから、どう生きるか」を決める場所です。
これは、きれいごとではありません。
結希君を失った母親は、これから、3月が来るたびに、お墓へ向かうでしょう。
泣きながら。
苦しみながら。
「なぜ、なぜ、なぜ……」と、答えのない問いを抱えながら。
でも——
手を合わせたあと、帰り道で、ほんの少しだけ、呼吸が変わる。
「もう一日だけ、生きてみよう」
「あの子の分まで、笑ってみよう」
人は、生きる理由を失ったあとでしか、見えない景色があります。
その景色へ向かう入口が、お墓なのだと思うのです。
あなたは、誰かを見送ったことがありますか。
あるいは——
自分が先に逝くことを、考えたことがありますか。
怖いですよね。
でも、本当に怖いのは、死ぬことではありません。
自分が生きた意味が、世界から消えてしまうことです。
忘れられること。
誰かの記憶の中で、自分が少しずつ、薄れていくこと。
それが、人間のいちばん深い恐怖なのかもしれません。
お墓は、その恐怖に、静かに答えます。
「あなたは、ここにいた」
「あなたの命は、確かに続いている」
石は、そう語り続ける。
風の日も。
雨の日も。
何十年も。
何百年も。
言葉を使わずに。
お墓を建てるということ。
それは、「死の準備」ではありません。
未来へ、命を受け渡す覚悟を、かたちにすることです。
あなたの命は、あなた一人のものではありません。
遠い先祖から受け取り、
誰かに愛され、誰かを愛し、
そしてまた、未来へ渡されていく。
私たちは、その大きな流れの途中にいるのです。
孤独に見えて、本当は誰ひとり孤独ではありません。
お墓は、その事実を、静かに教えてくれます。
射場石利石材が守っているのは、石ではありません。
「人が孤独にならない構造」です。
墓石を建てているのではありません。
人が、「帰ってこられる場所」を、守っているのです。
帰る場所があるから、人は、もう一度、前を向ける。
思い出せる場所があるから、今日を生きられる。
それだけのことが、どれほど人を救うのか。
わたしたちは、墓石を売っているのではありません。
「命は、受け渡されていく」
その事実を、人が忘れないための場所を、つくっています。
あなたは今日、誰かを思い出しましたか。
思い出せる人がいることは、それだけで、力です。
そしていつか——
あなた自身もまた、誰かに思い出される存在になる。
人は、思い出された回数だけ、もう一度、生きる。
お墓とは、その灯を消さないための場所なのかもしれません。
お墓。
それは、過去のためにあるのではありません。
今日を、もう一度、生きるためにあります。
おかえりなさい。
結希君に届くはずだった5月の風が、あなたの大切な人にも、やさしく届きますように。
私たちは、墓石を売っているのではありません。
「命は、受け渡されていく」
その事実を、人が忘れないための場所をつくっています。

射場石利石材
六代目当主 射場一之
【基本情報】
所 在 地:大阪府茨木市新和町16番19号
電話番号:0120-148183
営業時間:8:00~18:00
定 休 日:年末年始のみ
メ ー ル:info@iba.co.jp
L I N E :https://line.me/R/ti/p/@582fiyxj
【資 格】
◇ 大阪府知事許可(般-4) 第87663号
◇ 労働大臣認定 1級技能士石加 第84号
◇ 経済産業省公認 石匠位認定 第89001号
◇ お墓ディレクター1級 05-100101-04
◇ 建築石材アドバイザー 222034
◇ 相続診断士 20333425
◇ 終活ガイド 00005872
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