
2025.12.24
「感謝」という二文字が紡いだ、父と子の新しい絆。墓石が語る物語(214left)

言えなかったのです。
高校の同級生だった晶子さんと結婚して何十年。
一緒に食卓を囲み、笑い合い、ときには口論もしました。
でも、「ありがとう」という言葉だけは、どうしても口に出せませんでした。
気恥ずかしくて。
照れくさくて。
能登半島地震が、その妻を奪いました。享年65歳。
輪島市の尾形哲信さん(68)は今、金沢市郊外の霊園に月1回通っています。
山の麓、高台にある墓地。
晴れた日には日本海が見えます。
二人の故郷と同じように。
墓石には、「感謝」とだけ刻まれています。
その言葉を選んだのは、長男の唯親さん(38)でした。
父が生前、一度も母に言えなかった言葉。
母の料理を食べるたびに感じていたはずの「ありがとう」を、息子が代わりに刻んだのです。
故郷の墓には、もう行けない
哲信さんの故郷は、ここではありません。
輪島の山あいに、尾形家の墓があります。
実家のそばに、代々の家族が眠る場所。
でも、地震と昨年9月の豪雨で土砂崩れが起き、道が大きく崩落しました。
その墓がどうなっているのかさえ、確認できません。
晶子さんの実家の墓も倒れたまま。
直すには時間も金もかかります。
被災地では今だに、倒壊した墓石がブルーシートをかぶったまま放置されています。
輪島市によると、改葬許可は震災前の年間17件から、震災後は117件、今年度もすでに85件。7倍に急増しました。
家の再建や生活の立て直しに手いっぱいで、墓の修復まで手が回らないのです。
哲信さんも同じでした。
妻を故郷の墓に入れてやれない——その思いが、何度も胸を締めつけました。
でも、唯親さんのアパートに預けたままのお骨を、いつまでもそのままにはしておけません。
名古屋に嫁いだ長女の彩さん(45)とも相談しました。
「子どもや孫たちが来やすく、母さんがさびしい思いをしなくてすむ場所を」
彩さんが見つけてくれたのが、金沢の霊園でした。
開放的で見晴らしがいい。
昨年4月、晶子さんのお骨をそこに納めました。ずっと引っかかっていたもやもやが、やっと晴れた気がしました。
墓石が、父と息子を動かした
2週間に1度、唯親さんが墓掃除に来ます。
欠かさず。
雑草ひとつありません。
月1回の休みに、哲信さんも車を飛ばして墓参りに行きます。
二人で水をかけ、花を供え、晶子さんが好きだったトマト味のお酒を置きます。
「あっという間にまた冬やわいね」と、つぶやきます。
哲信さんは今、輪島の仮設住宅から災害ごみ分別のアルバイトに通う日々です。
輪島塗職人の仕事は、単発の依頼がぽつぽつと舞い込むだけ。
それだけでは食べていけません。
帰宅後、インターネットのレシピを見ながら台所に立ちます。
肉じゃが、白菜鍋、親子丼。
妻のように手際よくはできないし、たまに作りすぎます。
でも、スーパーの総菜より格段に味がいい。
料理をするたびに、思うのです。「ありがとう」と。
晶子さんが毎日作ってくれていた食事。
当たり前だと思っていた温かい味噌汁。
照れくさくて言えなかった「おいしかった」の一言。
墓石に刻まれた「感謝」という二文字が、哲信さんを台所に立たせています。
唯親さんを2週間に1度の墓掃除に向かわせています。
彩さんを名古屋から家族連れで訪ねさせています。
お墓は、生きている人間のためにある
なぜ、人はお墓を建てるのでしょうか。
死者を弔うため——それは、半分しか正解ではありません。
お墓は、生きている人間が「ここに帰ってくる場所がある」と知るためにあります。
遺された家族が、「ここに来れば、また会える」と思える安心を形にするためにあります。
哲信さんは墓前で、こう声をかけます。
「古里から遠いところに墓を建ててしまって。自分もいつかここに入るけ、それまで待っといてや」
故郷の墓には行けなくなりました。
実家の墓は土砂に埋もれ、妻の実家の墓は倒れたまま。
それでも、哲信さんは新しいお墓を建てました。
金沢の山の上に。
日本海が見える場所に。
それは「逃げ」ではありません。「前に進む」ための選択です。
射場石利石材が目指しているのは、そういうことです。
私たちは、ただ石を売る会社ではありません。
家族が本音で繋がる場所を創る会社です。
「ありがとう」と言えなかった人が、やっとその思いを形にできる場所を提供する会社です。
墓石は、過去の死者だけのものではありません。
今を生きる家族を繋ぎ、未来の世代に手渡す「帰る場所」です。
故郷を失っても、家を失っても、大切な人を失っても——人は、新しい「帰る場所」を創ることができます。
そして、その場所から、また歩き出すことができます。
哲信さんが台所で料理を作るとき、唯親さんが墓掃除をするとき、彩さんが子どもや孫を連れて訪ねるとき——「感謝」と刻まれた墓石は、家族を動かし続けています。
あなたの本音を、石に刻みませんか
大切な人への気持ちを、あなたは言葉にできていますか?
もし、それが難しいなら。
もし、生前に伝えられなかったなら。
射場石利石材が、お手伝いします。
お墓はただの石ではありません。
あなたの本音を形にするものです。
家族の絆を未来に手渡すものです。
生きている人間に「また明日も生きよう」と思わせる、帰る場所です。
哲信さんは今日も、月に一度の墓参りに車を飛ばします。
「感謝」の墓石の前で手を合わせ、また仮設住宅に戻り、台所に立ちます。
お墓が、彼を動かしているのです。
お墓。
それは、今日を笑顔にするもの。
それは、明日を元気にしてくれるもの。
いってらっしゃい。
この冬の寒さを越えて、また春が来ますように……。
遠く離れた場所でも、あなたの大切な人が、いつも見守ってくれていますように……。
そして、言えなかった「ありがとう」が、いつかあなたの心を軽くしてくれますように……。

射場石利石材
六代目当主 射場一之
電話・メール・LINE、あなたにとって一番ストレスのない方法でご相談ください。
どうぞお気軽にご店ください。
【基本情報】
所 在 地:大阪府茨木市新和町16番19号
電話番号:0120-148183
営業時間:8:00~18:00
定 休 日:年末年始のみ
メ ー ル:info@iba.co.jp
L I N E :https://line.me/R/ti/p/@582fiyxj
【資 格】
◇ 大阪府知事許可(般-4) 第87663号
◇ 労働大臣認定 1級技能士石加 第84号
◇ 経済産業省公認 石匠位認定 第89001号
◇ お墓ディレクター1級 05-100101-03
◇ 建築石材アドバイザー 222034
◇ 相続診断士 20333425
◇ 終活ガイド 00005872
新着情報
アーカイブ