
2025.12.09
「普通」を手放したとき、家族は本当につながる(226X left)
お墓は、亡くなった人を敬う場所です。
でも、それだけではありません。
お墓が本当に問いかけているのは、今を生きる私たちに対して——「あなたは今、大切な人とどう向き合っていますか?」という問いなのです。
お墓の前に立つとき、私たちは自然と振り返ります。
故人との思い出を。
そして同時に、今この瞬間、隣にいる家族との関係を。
お墓参りという行為は、過去を敬うだけでなく、現在の生き方を問い直す時間でもあるのです。
今日、ある中学3年生の女の子が書いた人権作文を通して、お墓が私たちに突きつける「生き方の本質」をお話しします。
「普通になって」という祈り
「明日、目が覚めたら、妹が『普通』になってくれていたらいいのに」姉は毎晩、そう願いながら目を閉じていました。
小学4年生なのに、じゃんけんのルールも理解できない妹。
ひらがなもおぼつかず、足し算も難しい。思い通りにいかないと、大声で泣き叫ぶ。
「どうして妹は、靴をそろえただけで褒められるのか」
「どうして私は、妹にものを壊されても我慢しなければならないのか」
仲良く手をつないで歩く姉妹を見るたび、羨ましかった。
外出先で床に寝転んで泣き叫ぶ妹を見て、もう置いて帰ってしまおうかと思ったこともある。
姉は妹が嫌いでした。
でもそんな風に思ってしまう自分のことが、もっと嫌いでした。
これは、遠い誰かの話ではありません。家族の中で、私たちが誰もが抱える葛藤なのです。

命の瀬戸際で見えたもの
ある日、姉は妹と二人で歩道を歩いていました。
その時、突然——妹が車道側に飛び出したのです。
「危ない!」
姉は反射的に妹の服をつかみ、力任せに引き戻しました。
車のクラクションが鳴り響く。
体は震え、頭の中が真っ白になる。
すぐ後を、車が猛スピードで通り過ぎていきました。
心臓が胸を突き破りそうなほど激しく打ち、膝が笑っている。
もし、あと1秒遅かったら——。
姉は恐怖で立ちすくみました。
けれど妹は、何事もなかったかのように、笑っていたのです。
その瞬間、姉の中で何かが崩れ落ちました。
妹は、何もわかっていなかったのだ。
車に轢かれたらどうなるのか。
骨が折れたらどれだけ痛いのか。
なぜ、車道に飛び出してはいけないのか。
そのすべてが、妹には理解できていない。
どんなに怒っても。
どんなに説明しても。
妹には届いていなかった。
そう考えると、今まで感じていた怒りが、どこかばかばかしく思えてきて、切なくなりました。
妹は何も悪くない。
ただ、わからないからこそ、自分なりに、一生懸命に生きていただけなのだと。
これこそが、お墓が私たちに問いかけている「相手を理解する努力」そのものなのです。
お墓が映し出す「今」
私たちは、お墓の前に立つとき、故人のことだけを考えているわけではありません。
「もっと話せばよかった」
「もっと理解しようとすればよかった」
「もっと時間を共に過ごせばよかった」
そんな後悔とともに、私たちはふと気づくのです。
今、隣にいる家族とも、同じことが起きていないだろうか、と。
姉が妹の理解できない行動に怒りを覚えていたように、私たちも日常の中で、家族の「普通じゃない」部分にイライラしたり、戸惑ったりします。
認知症になった親が、同じ話を何度も繰り返す。
思春期の子どもが、何を考えているのかわからない。
パートナーの考え方が、自分とまったく違う。
私たちは無意識に、相手に「普通」を求めてしまいます。
自分の基準に合わせてほしいと願ってしまう。
でも、お墓は静かに問いかけています。
「その人は、その人なりのリズムで、一生懸命に生きているのではないですか?」
違う歩幅でも、心はつながる
姉は最後に、こう綴りました。
「怒るのではなく、伝える。避けるのではなく、向き合う。言葉にならない思いにも、耳をすませてみようと思うようになった。ゆっくりでもいい。迷いながらでもいい。私と妹、それぞれの歩幅で、同じ道を歩いていきたい」
そして、もう「普通になって」とは願わなくなりました。
ただ、こう願うようになったのです。
「妹が明日も笑顔でいられますように」
これが、家族の本当の絆です。
同じペースで歩くことではありません。
それぞれ違うリズムで生きながら、お互いを理解しようと努力し続けること。
相手の歩幅を認め、尊重すること。
お墓は、その絆を「形」として未来へつなぐ場所なのです。
三世代、四世代の時間をつなぎ、「あなたたちは、こうやって生きてきたんだよ」と、子や孫に語りかける場所。
そして同時に、今を生きる私たちが「自分はどう生きるか」を問い直す場所でもあります。
今この瞬間から、あなたにできること
お墓参りに行ってみてください。
それが家族のお墓でも、歴史上の人物や著名人の方のお墓でも構いません。
静かに手を合わせる中で、目を閉じて、自分の中の「大切な人」を思い浮かべてみる。
故人との思い出だけでなく、今、隣にいる家族の顔を。
そして、自分に問いかけてみてください。
「私は今、この人と本当に向き合えているだろうか」
きっと、何かが変わり始めます。
見えていなかったものが、見えてくるはずです。
射場石利石材は、お墓を通じて、ご家族の絆を強めるお手伝いをしています。
それは単にお墓を建てることではありません。
一つひとつのご家族の物語に寄り添い、その家族らしい形を一緒に考えること。
そして、お墓という場所を通して、家族が「どう生きるか」を見つめ直す時間と空間を提供することなのです。
もし今、家族のこと、お墓のこと、そして「自分の生き方」について、少しでも心に引っかかるものがあるなら。
今すぐ、私たちに声をかけてください。
あなたの家族の物語を聴かせてください。
違うリズムで生きる家族の、それでもつながっている心を、どう形にしていくか。
一緒に考えさせてください。
お墓は、過去を刻む場所ではありません。
今を生きる私たちが、未来への道しるべを見つける場所なのです。
お墓。
それは、今日を笑顔にするもの。
それは、明日を元気にしてくれるもの。
いってらっしゃい。
大切な人を想う穏やかな時間が持てますように。……。

射場石利石材
六代目当主 射場一之
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◇ 労働大臣認定 1級技能士石加 第84号
◇ 経済産業省公認 石匠位認定 第89001号
◇ お墓ディレクター1級 05-100101-03
◇ 建築石材アドバイザー 222034
◇ 相続診断士 20333425
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